Classic MIDI COLLECTION (交響曲 第40番ト短調 K.550)

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交響曲 第40番ト短調 K.550

ウォルフガンク・アマデウス・モーツァルト
(1756 〜 1791)オーストリア

Wolfgang Amadeus Mozart

この交響曲は、モーツァルトのことのほか表現的な作品として、古来注目を集めてきた。
彼の交響曲のなかでもわずか二曲という短調作品であること、その調が「陰鬱で悲劇的な諸契機」(W.リューティ)を描くためにモーツァルトの好んだト短調であること、しかも最後までそこからの解放がおこなわれないことが、すでにこの作品の常ならぬ性格を示すに十分であろう。A.ホイスは、ここに吹き荒れるパトスの嵐を、<デモーニッシュ>という形容詞でとらえようとしたし、H.アーベルトは、モーツァルトの本性にひそむ<宿命論的ペシミズム>の表現をそこに認めようとした。確かに、この作品に蔵された、聴く者の存在を根底からゆさぶるほどの力は、音楽的にのみ解明しうるものではない。
人生に真剣にとりくみ、人間のいとなみを透徹したまなざしで見据える人格が自己を全的に投入してこそ、「ト短調交響曲」のような作品が完成させうるのである。
とはいえ、モーツァルトはそこに、<叫び>を求めたのではなかった。どんな激情をも包み込んで結晶化させてしまう厳格な芸術的形成こそ彼の求めたものなのであり、それこそが、この作品の真価を高めているのである。モーツァルトは、「もっとも苦悩に満ちた音程」(A.ホイス)とされる短二度を、基本動機として全曲にわたって使用し、これに派生する半音階的な旋律と和声に、重要な機能を与えた。そして、バッハ体験以来はぐくみ続けてきたポリフォニー技法をかつてない集中度で利用して、作品に、バロックの協会様式をすら思わせる、きびしい線的性格を打ち出している。この意味で、O.ヤーンの次のような指摘は、作品の本質をつくものといいうるであろう。「モーツァルトの交響曲のうちでも、これはもっともパトス的なものである。しかし、巨匠はここでも、『音楽は、最もむごたらしい状況においても、なお音楽であるべきです』(という、書簡で表明された美的原則)を忘れず、パトスの性格的表現のなかに、美を堅持した。」
(音楽の友社  最新 名曲解説大全集1 交響曲Tより)
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